2004年10月17日
本日未明、関東地方で地震があったらしく、関東在住の友人からこんなメールをいただきました。
今(午前2時20分くらい)に長い時間揺れたけど、情報を下さい。
私がこのメールに気付いたのは夜が明けてからだったので、迅速な調査・返信をすることができませんでした。そこで、ネットなどを用いて、少し詳細な情報を収集して友人にメールを返信しようと考えました。
地震のニュースを検索すると程なく、関東地方で未明に二度にわたって震度3の地震があったことがわかりました。いずれの地震も震源地は茨城県沖で、地震の規模(マグニチュード)は5.6だそうです。この程度の情報であれば、友人ももう既知のものであると考えられるので、私は独自の方法でさらに調査をすることにしました。
昔の人は地震が起こるメカニズムなんて知らないから、神の仕業ということにしたり、厄難の一種としてただ怯えたのでしょう。しかし、現代においては、地震は断層もしくはプレートのずれによって起こるものであると説明し、さらには地震の予知を行おうとさえしています。このように、現代人は地震の起こり方について一応の科学的説明をされているがため、古人ほどに地震を畏れません。とはいえ、誰も地震の起こる瞬間の断層やプレートのずれを実際に見たわけではないでしょう。そこで私は、地震の原因は、地底人のセックスによる振動であるという仮説を主張したいと思います。私のこの仮説を信じることのできない方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、この仮説を前提に以下の議論をしますので、とりあえずはそういうことにしておいてください。
地震が起こると、テレビの速報などでも「マグニチュード」というものが発表されます。実は、この「マグニチュード」には様々な定義式があるのですが、とりあえずはGutenbergとRichterが提唱した地震のエネルギー(E)とマグニチュード(M)の関係式
log E(erg) = 11.8 + 1.5 M
が成立するものとします。今回の地震では
M = 5.6
であることから、地震のエネルギーを求めると、
log E = 11.8 + 1.5 * 5.6
= 20.2
∴ E = 10 20.2
= 1.58 * 10 20 (erg)
= 1.58 * 10 13 (J)
となります。
一方、地底人一人あたりのセックスの消費エネルギーはどの程度なのでしょうか。地底人の生態は未だ解明されていないので正確な分析はできませんが、とりあえず人間とほぼ同じと考え、まず平均体重を60kgとします。そして、近年主張されている運動とエネルギー消費量の関係式
運動のエネルギー消費量(kcal) = 基準値(METS) * 時間(h) * 体重(kg)
を用います。METS(基準値)は運動によって異なり、激しい運動ほど値は大きくなります。そして、セックスのMETSは、
METS = 4.0 〜 6.0 (kcal/h・kg)
だそうです。とりあえず、ここではその中間値(5.0)を取ることにしましょう。また、友人は今回の地震について「長い時間揺れた」と証言していることから、その継続時間は1分として、地底人一人あたりのセックスの消費エネルギー量(E')を計算してみましょう。
E' = 5.0 * 1/60 (h) * 60 (kg)
= 5.0 (kcal)
= 2.1 * 10 4 (J)
では、これらの数値をもとにして、震源でどの程度の人数の地底人がセックスをしていたのか、計算してみると、
E / E' = 1.58 * 10 13 / 2.1 * 10 4
= 7.5 * 10 8 (人)
ということになります。この振動を起こしている地底人の数は、なんと、7億5千万人にもなるのです。さらに、振動を起こしている地底人のパートナーも同数いるわけだから、地底人の数は15億人と考えられます。
以上から、メールをくださった私の友人には、今回の地震の詳細な情報として、茨城県沖の地下には地底人の中華人民共和国があり、未明に1,500,000,000Pが行われていたということを謹んでご報告いたします。